JWHNでは、子育て中の研究者を応援するために、お子さん連れでの研究会参加を後押しする取り組みを始めました。スカイプで研究会会場の様子を視聴できる別室を用意し、会場と別室を自由に行き来していただいたのです。

第1回目となる第29回大会には、2組の親子が参加。生後4か月の息子さんと参加してくださったUさんに感想を伺いました。

今回の取り組み、いかがでしたか? 

U:初めての取り組みということでしたが、もう「至れり尽くせり」という感じで、気持ちよく参加させていただくことができました。事前に研究会のお知らせなどで、赤ちゃん連れでの参加にたいして理解を求めてくださっていたおかげで、とても気楽に出かけられましたし、用意してくださった別室は、鍵をかけられて簡易ベッドや鏡などもあったため、自宅にいるときのように落ち着いて授乳やオムツ替えができました。

海外の学会では、赤ちゃん連れの研究者を見かけますが、日本ではまだ珍しいように思います。今回、Uさん親子は会場にごく自然に溶け込んでいたように思いましたが、Uさんはどうお感じになられましたか?

U:報告のときに子どもが声をあげたり泣いたりして、議論に集中しているみなさんのご迷惑になってしまわないか、というのが心配だったのですが、会場に溶け込んでいたようにみえたとすれば、それはまわりの方々が温かく見守ってくださったおかげだと思います。女性の研究者が多いせいもあるかもしれませんが、私がバタバタしていてもみなさんがごく自然に声をかけてくださったり、助けてくださったりしたので、おかげで子どももリラックスして静かに過ごせたようです。

別室のスカイプからは、会場の議論が十分に伝わりましたか? 

U:音声も画像もはっきりしていて、会場にいなくても報告の様子がよくわかりました。ただ、別室にいるときはどうしても子どもの世話に気を取られて、ずっと連続してスカイプに集中することはできないので、完全に最初から最後まで議論についていけたかといえば、やっぱりそれは難しかったです。また、授乳中にスマホでスカイプを使ってみたのですが、私自身があまり操作に慣れておらず、せっかく準備してくださったのに接続がうまくできないこともありました。

今後に向けて、改善点やご要望などあったら教えてください。

U:今回、用意してくださった別室はほとんどホテルの一室のような設備で、とても使いやすかったのですが、授業で使うような大学の通常の教室を会場にする場合には、さすがにベッドや鍵などの設備はないでしょうから、そこはいろいろと工夫が必要になるかもしれません。また、スカイプについては、複数のアカウントからいつでも自由にアクセスできるような設定が可能になれば、別室にかぎらず、どこからでもリアルタイムで会場の様子がわかってよいのではないでしょうか